真の薬剤師国家試験合格率を深堀(パート3)

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おはようございます。
SPI数学塾の吉田です。
前々回の「真の薬剤師国家試験合格率を深堀(パート1)」では、私立大学薬学部の定員・入学者数・合格者数・合格率・偏差値を載せた第108回薬剤師国家試験合格率ランキング表を投稿しました(20位以下は関西の学校のみ)。
前回のパート2では、このランキング表からプラスイメージの大学を取り上げてまいりました。
続いてパート3では、残念なマイナスイメージに見える大学を取り上げたいと思います。
東京理科大学　立命館大学　兵庫医科大学　薬剤師国家試験合格率ランキング

東京理科大学
まずは、東京理科大学です。
薬学御三家よりは新しく戦後の学部ですが、それでも昭和35年設置なので〇〇薬科大以外だと最古参だと思います。
あと東京理科大学と言えば、かつては私立理系にしては学費が安いことで有名でした。
しかし、現在の学費は東京都心の大学の平均レベルです(医学部のない大学ではやや高め)。
偏差値は医学部のある慶応に次ぐ単独2位ですが、合格率なら他校と遜色ない70%前後です。
まぁこう書くとコスパの悪い大学か？とディスっているように見えそうですが、そういうつもりではなく、東京理科大は飽くまで薬剤師国家試験を最重視していないのだと考えています。
国公立大の薬剤師国家試験合格率を見ていると分かるのですが、1位東大・2位阪大と見ると特に違和感ないですが、京大は17位です。
他に公立の山口東京理科大学が5位になっています。
偏差値下位の大学では確かに薬剤師国家試験合格率が最重要となりますが、ある程度上位になると薬剤師国家試験よりも臨床実習や研究開発等、学生の進路が多様化し、シラバスが複雑になります。
そういう事情で薬剤師国家試験合格率が平凡なレベルに収まっているのだと考えられます。

立命館大学
立命館大学薬学部は薬剤師国家試験合格率で関西の三薬科や近大にも後塵を拝し、偏差値でも3位と言えど、60前後の団子状態の中で少し上といったレベルです。
そして、関西の大学とは言え、薬学部のキャンパスは関西の人口集積地である大阪・阪神地区からは遠い滋賀県草津市(大津市は京都と接しており、草津市は大津市に東方にある)にあります。
学生生活が忙しい薬学部なので、正直大阪・兵庫の学生だと下宿か、長時間通学になりますが、学費はと言うと私立薬学部2位の高額学費の6年間で1457万円。
昭和の頃の立命館は学費の安さで有名だったが、今では学費の高さで有名になりつつあります。
ただ、その昭和の頃の名残なのか、経済的困窮者への支援は充実していますが、入学試験での奨学金はなく、生活困窮者以外は上記の高額な学費を払うことになります。
以上の状況を鑑みると、立命館についても東京理科大同様に薬剤師国家試験合格率は重視していないと思われます。
他の私大に比べても薬剤師養成コースの学科の比率が低く、創薬科が他の理系学部と連携しているのを特徴としていると思われます。

兵庫医科大学
大学名だけで行けば、なぜ医学部のある兵庫医科大がこんなに低迷しているのかとなります。
東京理科大・立命館は合格率が70%前後なので、薬剤師国家試験合格率を重視してないのだろうと結論付けられましたが、兵庫医科大薬学部の合格率は41.21%であり、この数字は流石にマズイ。
兵庫医科大薬学部低迷の理由は、2021年まで大学名が兵庫医療大だったことに遡ります。
兵庫医科大本部は西宮にあるが、兵庫医療大は神戸市のポートアイランドという埋め立て地にあり、三ノ宮駅から20分ほどであり、神戸市の中心部にありますが、大阪からだと通いにくいです。
この兵庫医療大は2007年の設立であり、まさに薬学部設立ラッシュの最中に設立されました。
周辺には神戸薬科大・神戸学院薬学部という伝統校があり、兵庫医科大が経営母体と言えど、生徒募集で苦戦を強いられたのでしょう。
看護学部やリハビリテーション学部は中堅レベルですが、薬学部は偏差値で低迷し、薬剤師国家試験合格率でも低迷が続き、2022年に経営母体の兵庫医科大が吸収合併されました。
現在の合格率は兵庫医療大時に入学した学生によるものですが、兵庫医科大薬学部になっても偏差値は不変でして、より踏み込んだ改革に迫られそうです。
阪神大震災以降、兵庫県の大学は押し並べて低迷傾向にあります。
同県内の姫路獨協大薬学部は生徒募集停止を発表しまして、兵庫医科大薬学部にとっては正念場と言えそうです。

#真の薬剤師国家試験合格率ランキング