おはようございます。
SPI数学塾の吉田です。
新大阪の薬学部予備校‐SPI数学塾の薬/農/獣医/理工への心構えのページです。
これらの学部は一括りに理系と言えど、内情は相当異なります。
国公立・私立の立ち位置、受験生のレベル・希望度、大学のレベルの幅、就職など様々です。
今回はそれぞれの学部に分けて、雑談的に書いていこうと思います。
薬学部の話 国公立薬学部偏差値ランキング 私立薬学部偏差値ランキング
確かに薬学部の薬剤師養成学科は6年制であり、6年間の合計になれば膨大な金額になるわけであり、国公立薬学部の方が格段にレベルが高くなるのは当然と言えます。
それに、旧帝大のみならず、旧六医大と言われる新潟・金沢・千葉・岡山・長崎・熊本は名門の医学部を有しており、薬学部においても難関になるのは当然と言えるでしょう。
薬学部は、国公立は難関・準難関で構成されるのに対し、私立は準難関~下位で構成されます。
薬学部は受験人口の減少が顕著であり、2014年の12万1431人をピークに減少傾向が続いてます。
当然、そのしわ寄せは私立大学に大きく来ており、今後下位の大学における薬剤師国家試験(真の薬剤師国家試験を見よ)の合格率が更に厳しくなると思われます。
薬学部受験人口が減少しているのは、ストレート合格率・中退率が意識され始めており、本当に薬剤師になれるのかという疑問が浸透しつつあるからだと思われます。
そして、調剤薬局の倒産等、経営環境が不透明になっているニュースが耳に入るようになり、職場がブラック化しつつあるとも言われており、そういったことも受験人口減少に影響しているかも知れません。
獣医学部の話
獣医はまず国公立だと北海道・本州・九州に満遍なくあり、全て医学部並みに難関です。
日本全国満遍なくあるのは、ペットというより家畜への産業獣医(牛・豚・鶏・馬等)のニーズからでしょう。
また、私立は北海道・東北・関東に集中しており、それ以外だと愛媛の岡山理大のみだったはずです。
岡山理大は新設で中堅レベルですが、東日本の私立獣医学部は準難関と言えます。
この点が薬学部/農学部と大きく異なる点ですね。
しかし、難関を突破して獣医師になれても、希望するペットを対象にした獣医で勤務する方は限定的なようです。
ほとんどの方が飼っているペットを通して獣医学部に進学したと思われますが、それ故、通常の獣医に人気が集中します。
それに対し、獣医の就職口に限界があり、給与についても限界があるそうです。
所謂、「好きでないとできない仕事」と言われることも多いそうです。
実際のところ、獣医師を取得した方の多くは、公務員等になり、産業獣医として食用の牛/豚/鶏の管理に携わる方が多いようです。
狂牛病や鳥インフルエンザ等が記憶に新しいですが、こういった家畜の健康管理のニーズは高い一方、希望者が限定的で獣医師が引く手のあまたのようです。
農学部の話
農学部は近年「生命科学学部」「生物資源学部」等に名称変更される場合が多いです。
また、水産学科を農学部内にある場合や水産学部と独立してる場合があります。
これは獣医学部においても同様のことが言え、農学部獣医学科となる場合もあります。
農学部は国公立/私立とも全国に多くあり、まさに理工系並みに多いです。
そして、国公立農学部は旧帝大に必ずあり、難関~中堅のレベルが存在し、その点は薬学・獣医と異なります。
私立になると所謂有名私立と言われるところが少なく、明治・日大・近大が中心であり、これらが国公立の併願で受けられやすいです。
残りは中下位から全入と思われるところまで存在します。
農学部は学習意欲の高い学生が多いと言われていますが、就職で潰しが効きにくく、その点は理工系と大きく異なります。(理工系は下位レベルでも引く手のあまたです。)
国公立や一部有名私学の卒業生なら大学で学んだことを活かす仕事に就ける場合が多いようですが、文系の方と同じ職種になる場合も多いようです。
理工学部の話
少子高齢化による若者不足で就職においては、若者が引っ張りだこらしいです。
労働者不足は今後も続くと言われており、大学生の売り手市場はまだまだ続くでしょう。
その傾向がより顕著に表れているのが理工学部生です。
若者の理系離れがあり、極度のエンジニア不足になっています。
研究者は有名大学の修士か博士課程を出た学生が安定供給されるので、そこまで深刻とは聞きません。
不足しているのは中下位の私立大学の学生が担い手となるエンジニアなのです。
大手メーカー・建築会社・電力会社・鉄道会社で地域総合職の募集が多く、理工学部を卒業していると定年まで安心して働ける就職先が多くあるのです。
そのような恵まれた環境でも理工学部の受験生が頭打ちであり、理系人材・エンジニア不足は今後も続きそうです。
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